小説
ちょろっと事後描写あり。直接描写はない。
#現代組 #うちよそ #R15
まあお決まりと言えばお決まりのパターン
 「じゃあせんせーのデビュー戦勝利を祝ってかんぱーい」
 「か、乾杯」
 ごちん、と鈍い音を立てながらビール缶同士がぶつかる。適当に買ったつまみだのジャンクフードだのをあたりに広げて雫月は目の前の男にへらりと笑いかける。長身を縮こまらせるように座った男は彼の大学の非常勤の講師だった。名前は浅霧十鵲。変わった名前だったから妙に頭に残っていた。
 何故講師の彼が雫月の下宿先にいるかというと話は数時間前に遡る。

▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽

 「あれ、先生ちゃう?」
 趣味のサバイバルゲーム会場にて、友人の相田雄輔の間延びした声に雫月が目を瞬かせる。あれ、と指さされた方を見ると確かに見覚えのある姿がそこにはあった。
 「なにしてんだろこんなとこで・・・ってまー普通に考えりゃサバゲーだよな」
 「そうやったとして意外すぎへん?・・・佐辺君、またなんかしたんちゃうの?見かけたから追っかけて来たとかありそうやん」
 「いや何もしてねぇ、じゃなくてあいちゃん俺をなんだと思ってんの?」
 「問題児」
 「割と真面目に生きてんだけどなぁ」
 雄輔の冗談(?)に苦笑で返して雫月が歩を進める。行き先がわかった雄輔は苦笑を一つこぼしてその後ろについて行く。
 難なく人混みをかいくぐり、目的の人のすぐ隣まで行ってぽんと軽く叩く。
 「こんな所で何してんすか?せーんせ」
 返事の代わりにじゃこ、と鈍い音が響く。雫月が固まり雄輔が焦ったように目の前の銃口をずらしてくれた。
 「浅霧先生、人に銃口向けたらあかんって」
 「・・・えっと、どちら様でしょうか」
 雄輔が絶句する。まあ非常勤だし覚えてなくてもしょうがねえな、と無理やりそう思うことにして雫月はあんたの生徒ですと頬を引き攣らせた。

▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽

 「いやほんとせんせ人の事覚えて無さすぎでしょ」
 けたけたと笑う雫月に十鵲が気まずそうにビールを口に含む。雄輔は別の用事が有るからと先に別れたため今はいない。さっき謝ったじゃないですか、と拗ねる姿に雫月の中の十鵲の印象が崩れては組み直される。
 同じ講座を受けている友人も雫月も彼に対して何を考えているのか分からない、少々気味の悪い講師だった。素性もしれないし最低限の会話しかしない。余り関わりたくない類の人間である、と言うのが彼への第一印象だ。
 しかし喋って見れば結構すぐ拗ねたり、デビュー戦の反省点を言えば次はこうすると負けず嫌いを見せてきたり。雫月の冗談に本気で驚いたり少し笑ったりと、かなり感情豊かだった。何より自分が興味のあることに対して饒舌に喋るのだ。聞き心地のいい声とまとまっていてわかりやすい話し方に雫月も思わず踏み込んで質問をして、と会話が途切れなかった。
 時計が日付を超えたあたりで、雫月は十鵲に声を掛けようとした。2人で相当飲んだし、終電も無いだろうから泊まっていけと言うつもりだった。現にそこそこアルコールに強い自分が目を回している。結構早い段階で顔を赤くしていた講師1人追い出すのも気が引けたのだ。
 その言葉は、十鵲の唇でせき止められた。
 酔ったらキス魔になるタイプなんだろうな、と緩く考えていた雫月はしかし次の瞬間長身に押し倒されて組み敷かれる。
 「ちょ、せんせ?」
 退いて、と薄くは無い胸板を押し返す。しかし熱に浮かされた目はずっと物欲しそうに雫月を見ていた。こくり、と喉が鳴る。どちらのものかは分からない。まずいと訴えていた理性は十鵲の熱とアルコールに当てられて溶かされる。
 やがて十鵲が雫月の唇を再度塞いだ。大きな手が雫月のシャツの下に潜り込んで、そして。

▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽

 雫月はぱち、と目を覚ました。薄ら寒いのは服を着ていないからだし腰が痛くて下肢がベタつくのはまあつまりそういう事なんだろう。思ったよりダメージねえな、と思いながら煙草に手を伸ばす。誰かと寝た後の習慣だった。身体に回された長い腕が少し邪魔だった。動いたからか引き込むように腕に力が込められる。跳ねている髪を梳いたのはなんとなくだった。
 薄らと十鵲が目を開ける。素っ裸の雫月を見て跳ねるように飛び起きた。
 「・・・」
 「おはよ、せんせ」
 鬱血と歯型だらけで、しかも掠れた声の雫月と下着だけしか着けていない自分の状態で全て察したのだろう。
 「・・・すいません、でした・・・ッ!」
 下着1枚で土下座された。

▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽

 雫月がシャワーから出ると十鵲が抜け殻のような顔でテーブルに簡単な食事を並べている光景に目を白黒させる。
 「え、何。つか材料とかなかったよね?」
 「買ってきて作りました・・・」
 「別に帰ってよかったのに」
 「帰れるわけないでしょう!?その、無理させましたし・・・」
 あっけからんとした雫月の言葉に十鵲が目を剥く。その直後目に見えて落ち込んだ講師にわかりやすいなぁと苦笑した。
 「まあせんせーは気持ちよかったかも知んないけど俺全然イってねえし、あちこち痛いし」
 「う」
 「中出しされたし、俺処女食われたし」
 「・・・すいませ」
 「でもメシ作ってくれたし、それでチャラでいーよ」
 は?と思わず十鵲が素っ頓狂な声を出す。並べられたサンドイッチをひとつ摘んで口に放り込む。自分の為に食事を用意されたのはいつ以来だっけと考える。
 「下手くそだったけどね」
 よかったね、女の子じゃなくて俺で。大ダメージを受けたのか崩れ落ちた十鵲に雫月は嘲笑ではない笑みをひとつへらりと零した。

 その後、
 「わ、私も童貞でしたからね!?」
 と言うとてつもなくどうでもいい十鵲のカミングアウトに雫月はものすごく生ぬるい眼差しでそっかぁ、と呟くのだった。


 「なんですかその目は!!」
 「いや、初めてなら下手くそでもしょうがねえよ、うん」
 「慰めてるんですか!?貶してるんですか!?」畳む
小説
TRPGのPCじゃない、診断やら話の流れで生まれたやつら。基本現代日本。現代組とでも銘打っておく。
佐辺雫月の話
#現代組
既に凍えて死んでいた
 「佐辺ー今日って暇か?」
 「残念、バイトでーす。また誘ってー」
 級友に片手を上げて軽く返した雫月はスマホ端末に記載された日時を視界に入れてため息を付いた。ほんの少しの哀愁を苛立ちの中に混ぜ込んで飲み込む。
 十二月二十四日。世間ではクリスマスムード一色だ。その中を一人バイト先へ足を進めることにもう何も思わなくなった。ただイルミネーションが目障りだった。

 佐辺雫月はクリスマスを筆頭に、カレンダーに記載されている行事が軒並み嫌いだった。人といるのが嫌いなわけではない。むしろ好きだ。しかしイベントが嫌いだった。
 昔は人並みに心が躍っていた気がする。父と母と、三人で過ごす日だとずっとずっと楽しみにしていた。正直な話、サンタクロースという存在を信じていたわけではない。いないものだと割り切った上で両親と過ごせる時間が好きだった。翌朝置かれているプレゼントよりも、自分がプレゼントを抱えて笑ってくれる二人を見れるのが大好きで嬉しかった。
 事故だった。居眠り運転で信号を無視し突っ込んできたトラックが、二人が乗っていた車に衝突した、と言うことを知ったのは雫月が高校に上がって暫くした頃だった。即死だったらしい。当時患っていた祖父母では雫月を引き取ることができず父方の兄夫婦のところへ引き取られることになった。
 二人が雫月の前から消えたのは奇しくも彼が小学校二年生の、クリスマスだった。

 叔父は家にいることが少なかったものの、自分の兄弟の子どもということで気にかけてくれていたとは思う。しかしその妻が雫月を邪険に扱った。自分の子をあからさまに贔屓し、事あるごとに優劣をけては貶す。両親の遺産にこそ手を出さなかったものの、そこから雫月の学費と生活費を出す。授業参観は当然来ないし、運動会は離れたところで一人でコンビニ弁当を食べていた。それだけではなく、毎日の食事も出たことはない。叔父がいるときは大体外食だったし、そこから出た雫月の分だけ遺産から引いていたのを知ったのは家を出る直前だった気がする。
 幼心なりに、雫月もこの人の子供じゃないからと理解していた。だからその年から自分の一年の中に誕生日も正月も、クリスマスだって無くなって当たり前だと思っていた。違うとこの子供なんだから好きになってもらえなくて当然だと、必死で思い込んでいたような気がする。

 完全に決別したのは高校二年の冬だった。きっかけは雫月があまり喋らなかった(というよりは避けられていた)叔母に両親の死因を聞いた時だった。
 「義兄さんも義姉さんもぐっちゃぐちゃで汚かったわよ。あんたのクリスマスプレゼントでも買いに行ってそうなったんじゃない?車に壊れた玩具が乗ってたらしいし。あっやだ、これあんたがいたせいで死んでない?」
 あんたがいなきゃ、二人共生きてたかもねえと嘲笑する叔母を、雫月は感情に任せて暴力を振るうことも言い返すこともしなかった。ただ、ありがとうございました。その一言だけ言ってすぐに離れた。叔母は気味悪がっていた。
 感情が停滞する。そんなことがあるのかと雫月はどこか他人事のように関心していた。本当なら、それこそこれまでの不満ごとあの女にぶつけても良かったはずなのにそれすらする気力がなかった。一瞬たりとも自分はこの人たちの家族になれていなかった事実と、叔母の話した事実が雫月にほんの少し残った希望も砕いて行く。
 「俺の、せいか」
 凪いだ心でただ、それだけを呟いた。

 そこからは早かった。県外の大学を奨学金で進学し、高校の間ひたすらバイトを掛け持ちした。あの家にはほとんど寄り付かなかった。年齢をごまかして夜中まで働いて今後の貯蓄を蓄える。世間に出てから必要なことを勉強の合間に頭に叩き込む。その頃になると雫月はクラスメイトと遊ぶこともほとんどなくなっていた。必要最低限の物だけ残して全て売り払い、遺産に関しては叔父に相談し世話になった分と少ないながらも半分はあの家に送ることにした。そして一言「これまでお世話になりました」と言って雫月はあの家を出た。返事はなかった。

 悴む両手を無造作にポケットに突っ込んで、雫月は次のバイト先へと足を進める。別に金には困っていない。ただこの日持て余してしまう時間に困る。友人たちも大抵イベントで盛り上がっているのだろうが、もうその輪に入りたいとは思えなくなっていた。

 どうせ明日は休講だし、ぶっ倒れるまで働いておこう。昔を思い出して凍えてしまわないように。
 鮮やかなイルミネーションを睨みつけながら、雫月は次の仕事の内容を無機質に繰り返し思い出していた。畳む

日記
昨日からswitchで咎人(とがんちゅ)始めました。

フリーダムウォーズ


操作感もっさりしてるなぁ、と思う以上に私こんなゲーム下手だったかぁ。。。が強く心折れた。なんか寝たり走っただけで刑期延びるし
でも楽しいですね。目下大剣の練習をしています。でもこれもうちょい進めないとフレンド機能的なものは使えない感じだろうか。頑張ろう
あるジャンルの取り扱いについて。
#お知らせ
かつて第五人格のキャラクターを自分の解釈のまま動かす、いわゆる「弊荘園」という囲いで遊ばせてもらっていました。ですが人を選ぶジャンルな上、中々のグレーゾーンな楽しみ方なので(当時知識が浅く配慮もしていませんでした)一時期離れていたのですが、ありがたいことにもう一度見たいと言っていただけたので過去分を掲載します。気が向いたらまた筆を執るかもしれませんが声を大きくして書きました!とは言わないと思います(今私自身の旬ジャンルが違うのもあり頻度も低いと思いますので)
この手の遊び方はあまりよくないとは思いつつ、遊びとしては面白いと感じているのでこそこそ遊ばせていただきます。私のたこつぼだぞ精神で行きます。

・必ず鍵をつけた上で、折り畳みワンクッション挟んで投稿。これはR18であってもそうでなくてもこのような形を取ります
・タグは #たこつぼ荘園 とさせてもらいます。第五人格という単語では取り扱いません。但しジャンルとしては第五人格です
・ワンクッションにキャラクターとしてのCPを記載します。

一度これで様子見て、問題なさそうならばこのまま載せておきますし、問題が発生するようなら掲載を取りやめる、あるいは個人間でのみのやり取りに移行する等の対処をさせていただきます。畳む
日記
ちょっとSKIMAをどうするか考えあぐねている。もう少し宣伝させてもらってもいいのか…ご依頼専用のフリメのアドレスも増やしたい。なんか思ったよりちゃんと準備できてなかったなと反省しておる。

一月二月で準備して、三月~四月の間にどうにかしよう。
小説
CoCシナリオ「オールドメン・アクト・ライク・エンジェルズ」のネタバレがある。後日談。
#CoC #ネタバレ #上田剛 #メンジェ
貴様の矮小な罪悪感など断罪も救済もするに値しない

「判決を言い渡す」

時折遠くなる音の中、無罪と言われた瞬間どこか萎えて無感動になる自覚を抱えたまま、上田は弁護した相手の罵倒を聞き流した。嘘つき、勝とうと言ったくせに、etc.

その一切合切が途切れ途切れに聞こえて、感情に何も響かず、ただ淡々と頭を下げて申し訳ありませんでしたと熱すら込められない謝罪を吐き出した。

 *

自首しよう、そう覚悟した頃には全てが終わっていた。奇天烈も通り越した、口にするのも忌々しい格好で、恐怖と不愉快の全てを入り混ぜたようなあの空間で起こった出来事を夢と切り捨て、流れたニュースで現実だと思い知ったのはかなり早い段階だ。四十年も続いただろうあの悍しいカルトそのものの出来事が自分の白昼夢ではなく現実にあったものとして再認識した瞬間思わず頭を抱えて半日程動けなくなったくらいだ。

それでも、そんな上田の心象もお構いなしに日常は過ぎていく。何度も自首しようとか、人をあんな惨たらしく殺した自分が誰かを弁護士するなんてちゃんちゃらおかしいと自嘲しても、あれはしょうがない事なのだと、そうしないと自分が死んでいたかもしれないと言い聞かせても無駄だった。許されたくて裁かれたくて、けど誰も、共に巻き込まれて行動した二人の男達以外は上田が何をしたのか知らないから誰にも吐き出せないまま、一ヶ月を無理やり過ごした。

 *

お前最近様子おかしいぞ。長めの休みやるから病院行ってこい。

事務所長からそう言われて一週間の休暇を言い渡されて上田はしどろもどろになった。

耳がおかしくなった自覚はあったが、それでも依頼人や裁判官、相手の検察や別の弁護士の口元を見ていれば聞こえない事を差し引いても答弁は出来ているはずだ。証拠は揃えても裁判に負けるのはよくあることで、上田自身の戦績は良くも悪くも普遍的で、病院に行けと言われる程ではないはずなのだ。それを所長に伝えても取り付く島もなく強制的に休まされ、挙げ句の果てに病院まで本当に紹介されてしまった。あの件もあり何がなんでも行きたくなくて抵抗したが恩人に困り顔をされてしまったら上田は何も言えなくなってしまったのだ。

紹介された病院はいくつもの科を抱えた大型の病院だった。それがあさひのクリニックを、藤堂医院を思い出させて腹の底から苦いものが込み上げる。耳鼻科で診療されてから心療科へ回される。細かい事は聞き流す、というより普通に聞こえづらかったので理解などほとんど出来やしなかったが、どうやらストレス性の難聴らしかった。

「何か、悩みでもあるようでしたらカウンセリング等もしてますけど、どうされます?」
「……いや、いいです。大丈夫なんで」

そうですか。それだけ言うと深くは踏み込まず処方する薬の説明に入ったことに安堵した。

会計もそこそこに逃げ出すように病院から飛び出す。あの、清潔感に紛れた薬品臭さから逃げ出したかった。脳裏に鮮明に映るのは自分が轢き殺した、否すり潰した男の最後の顔と、ドリルの先からわずかに溢れた血の色と。そして逃げて見ないようにしていた、重機の下の人体とも言えない肉片。

「あれ、上田さんじゃん。纐纈さんと待ち合わせでもしてたの?」

は? と思わず顔をあげる。色付きのメガネと、まだ冷えるのに有名な菓子のイラストがプリントされているふざけたTシャツ。老木とそのすぐ隣には助けてくれ、と言わんばかりの顔をした纐纈がいた。
 


「はえ〜上田さんも体調不良だったの。大変だね〜」

どうしてこうなった。知るか俺に聞くんじゃねえ。

視線だけで纐纈と簡単なやりとりをして、目の前で何故か二人前頼んだパフェを見てえぇ〜? 俺甘いものの気分じゃなかったのになんで頼んだんだろ? と首を傾げながら口に甘味を運んでいる。

再会してからは早かった。何が早かったと言えば老木の動きがだ。元々とっ捕まっていた纐纈はもちろん目の前にいたのが老木だと認識した瞬間回れ右をした上田を容赦なく引っ捕まえて感動の再会〜、等ふざけた事を言いながら近くの喫茶店へ連れて行かれた。一人で思うまま注文していく老木に難聴の上田、ほぼ治っているとは言えチック症の纐纈にストップをかける余力はない。おっさん三人が顔を突き合わせて、そのうち一人は淡々とパフェを食べている図に一ヶ月の苦悩も少し馬鹿らしくなる。

「あ、これ上田さんの奢りね。弁護士さんって儲けてそうだし」
「あ? ……あ!? バカ言うなギリギリで生きてるわ!」
「えぇー……宛にしてたのに。じゃあ纐纈さんは? タクシーの運転手さんなんでしょ?」
「……ざ、んねんながら、今月はや、休んでて余裕、な、いな」

渋面でそう答える纐纈にええぇ? とさして残念そうな顔もせず呻いて、しかしまあいいやと再びパフェに口をつける。その隣にフライドポテトの山やらチキンステーキやら山盛りになっているのだが、それらを食うつもりなのだろうか。このトンチキな男は。上田の視線に気づいた老木はわざとらしく体をくねらせていやん、と気持ちの悪い声をあげた。

「何? 俺の事そんなに好き?」
「……? は!? バカ言ってんじゃねえよ気持ち悪ぃなお前! そんなに食えんのかって思っただけだ!」
「え? 食べたかったら食べてもいいよ? それ二人のだし」
「そ、んなに、食える、か、!」
「一人で食え!!」
「えーしょうがないなあ」

しょうがない、で済むのだろうか。そのまま一人で何事か喋りながら一人で注文した料理の山を消費し始める老木に、耳が聞こえないからと言い聞かせて上田は無視した。纐纈も同じ選択をした。
 


案の定、食べすぎた老木が苦しい〜動けない〜とごねたので二人で抱えて拾ったタクシーに詰め込み、彼の住居の近くらしい場所まで送る。なんでこんなことをしているのか、と上田が一瞬虚無に襲われる。

「ほえー、上田さんってこの事務所なんだねえ。纐纈さんはあのタクシー事務所なんだ。なるほどね、タクシー頼むとき指名するね」
「は?」

素っ頓狂な纐纈の声で我に帰る。いつの間にくすねたのか、老木の手には二枚の紙片がつままれていた。二人の職業用の名刺だった。

「お前こら返せ! 普通に窃盗だぞそれ!!」
「名刺って人に渡すためにあるからいいじゃ〜ん」
「あ、んたに!渡したお、覚えはない、ッ!」
「じゃあちょうだい? オッケーオッケーありがとー」

のらりくらりと躱してへらへらと笑う老木に纐纈が食ってかかる。上田も文句を追加しようとして、ふと冷静になる。

「あんたら、俺が何したか分かってこんなことしてんのか?」

ぽろりと溢れたのはそんな言葉だった。老木がキョトンとし、纐纈は吐きかけた溜息を止める。いや、わからないならいいと続けようとした上田の言葉をわざとかそれともたまたまか、どちらとも読めないタイミングで老木があぁ! と声をあげる。

「あれだよね、院長ブチっとやったやつ! あれかっこよかったよね〜」
「は……?」

ドリルギュイーン、ってさぁ。からから笑いながら不謹慎もいいところの発言を繰り出す老木に上田が固まる。察したらしい纐纈が軽くポンと肩に手を置いた。

「あ、の時は、あんたの行動が、さ、最適だった」
「何が、だ。俺は殺したんだぞ?」
「さんざ、ん。人を、巻き込んで、じ、自分たちだけ、栄えてきたに、人間、だ。酌量の余地ありじゃ、ないか、?」
「そーそー、と言うか上田さんがやらなきゃどのみち無理ゲーだったでしょあんなの。俺か纐纈さんがやってたよ」

ノーカンノーカン、と軽く言う老木に纐纈があんたは不謹慎すぎだ、と勢いよくど突く。いったぁ! と悲鳴をあげる老木の声を聞きながら上田はそうじゃないと言おうとして、やめた。なんだか馬鹿馬鹿しくなってしまったのだ。何が、とは言わないが。
 
許しが欲しいんじゃない。裁かれた上で許されるまで償わせて欲しかったんだ。
けど到底、俺が願っても叶うことはないらしい。畳む
小説
自探索者小噺 シナリオのネタバレはありません。
#CoC #不破碧
何でもない日のエトセトラ
あら碧さん、と呼ばれて私は振り返る。今担当している患者の鈴木さんがニコニコしながら車椅子を動かしていた。

「ああ、私が押しますから」
「すまないねえ、いつも助かるよ」

人好きのする笑顔を浮かべながら私を見上げる鈴木さんはもうすぐ退院だ。碧さん、碧さんと私を呼ぶ声はいつだって優しくて、その声がもう聞けなくなると思うとほんの少しだけ寂しい。けど、患者さんが良くなって日常へ送り出すのが私の仕事だと思えば嬉しさのが勝った。

「それでね、今度孫が生まれるの。この病院に入院するんですって」
「そうなんですね。鈴木さんとは入れ違いになってしまいますね」
「そうねえ。けど元気になれば私から会いに行けるから」

初夏の風が生ぬるさを孕んで私たちを撫でていく。少し汗を書いた鈴木さんの額を拭いながら退院後の楽しみですね、と頷くとそれはもう嬉しそうにそうなの、と弾んだ声が帰ってくる。

「それに、碧さんにも会えるでしょう?」

その声に思わず呆気に取られた。私は看護師で、鈴木さんは患者で。私は患者さんを大切に思うし患者さんは私たちを頼るけど、結局のところはビジネスライクだと思っていたから。

ぽかんとする私を見上げながら鈴木さんは柔らかい笑みで深く頷いてくれた。

「碧さんには怪我をしてから本当に良くしてくださって感謝してるの。それにね、うちは娘夫婦も息子夫婦も共働きでお見舞いは難しいって聞いてたから寂しいんだろうなって思っていたの。けど、碧さんは休憩時間でも私を見掛けたら声をかけてくれたでしょう? そのおかげで全く寂しくなかったのよ。勝手に私の娘だと思っちゃったくらい」

ころころと転がす様にそう言ってくれた鈴木さんは、とても優しい顔で。私はうっかり、ぽろりと泣いてしまったのだ。

* 

「そんな事もあったわねえ」

休日の少しおしゃれな喫茶店で、私の大好きな声がころころと笑う。

「その節は驚かせてしまって本当にすいませんでした」
「いいのよ、嬉し泣きって聞いた時は私だって嬉しかったんだから」

患者さんから年上の友達に変わった鈴木さんはあいも変わらず柔らかく笑ってくれる。
 
鈴木さんご一家とはなんのご縁か、私が当直の日の夜に娘さんが産気付いてスタッフが少なかった事もあり助産に関わった。双子の赤ちゃんを抱きしめながらありがとうと言ってくれた娘さんの泣き笑いが鈴木さんそっくりで、思わずもらい泣きして目を腫らしながら家に帰ったっけ。

そんな話をしながら、鈴木さんはふと思いついたような顔をした。

「そういえば、碧さんご結婚は?」
「お恥ずかしながらまだ、そういう人はいなくて……」
「そう……ねえ、もし良かったら紹介しましょうか?」

私の弟の息子なんだけれども、真面目な人なの。あなたを幸せにとは行かなくても苦しい時は一緒に頑張ってくれる子なの。
どうかしら? と聞かれて私はきょとんとした。一瞬遅れてそれがお見合いの話だと理解する。

頭に過ったのは、ぼんやりとしてるのに美味しそうにご飯を食べる顔。

「ごめんなさい、お気持ちはとても嬉しいんですけど大丈夫です」
「あら、そう?」
「はい。ちょっと、気になる人がいるから」

私の言葉に今度は鈴木さんがきょとんとして、それは素敵ね、大切にしてねと笑ってくれたのだ。畳む
日記
昨日四季送りだったんですけど……

マ ー ヴ ィ カ 様 引 き ま し た

なんで今日の自陣、覚悟してください。
自分出目、荒れますよ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!(大はしゃぎダンシングオクトパス)


全然関係ないけどてがろぐでくそでかい文字打ちたい。HTMLでできるんかなこれ。
ふせったー
ジジイことファイ 脳内で楽しんでたのを軽くまとめ。

世界観はとっくに滅んで再生の見込もない停滞した星。そこにひとつだけ存在しているのがファイ。
滅んだ理由はちゃんとあるけどこれもっと滅ぶ前の下地練り込まないと破綻するので割愛。くそ大まかなあらすじ並べると滅ぶ間際に仲間と旅して死なれて世界滅んだ。
元々神に作られた人型の殺戮兵器の失敗作。この世界の神は崇高な存在じゃなくて中世貴族や戦国武将のごとく私欲だとか野望だとかドロドロしており、そんな奴らが世界の在り方をほんのちょっとくらいは変えられるくらいの力を持ってる最悪なやつ。兵器の形は完全に人間で遊びたいからという理由。兵器たちは全員金髪で眼球がないため目を閉じた姿をしていて、人間を殺すプログラムのみが作用しており感情もないがファイは毛先の方こそ金色だけど全体的には深い赤色で、眼球がありそれが上位の神の特徴の碧眼に近い銀目を持っていた。また結構な頻度でエラーを吐くがそのエラーが起きるたびに人間がバコバコ死ぬから、失敗作ではあるが面白いため神はちょこちょこ使用。その時に仲間に出会い離反した。その結果世界滅んだ。
これ自体に性別はないけど、仲間のうちの一人が兵器であることを理解した上で惚れ込んでいて、それに応えるように女の形をとっている。戦闘での出力効率が変わるため、自分から男の形をとったり女の形をとったりしている。
仲間と行動するうちに形成された人格だが、端的に言うと大雑把。人格と共に形成された感情の違いの区別が付かないがゆえにさっぱりとしていてたいていのことを「まあいっか」で済ませてしまう。

世界が滅んだあとは、世界の土台になっている星を殺さないために根を張って枯れた大木として存在。傍らには一応目と耳として人の形がある。でも本体は大木の方。大木といっても本当の樹ではなくてどちらかというと鉱石に近い物質。
絶望を感じないように感情を遮断して、荒廃しきった世界で一人ぽつんと立ち続けている。ずっと空を見上げているため、視界には数多の星が生まれてから死ぬまでが映し出されている。気まぐれにその星に名前を付けて観測し、死んだら次の星を見る、をずっと繰り返している。
また枝が時々折れる。その枝は世界を跨ぐため、別の世界に行って、その文明を学ぶ子機として顕現し機能している。が、こちらはほかの生物や植物が多いので感情を遮断する必要がないため喜怒哀楽や好き嫌いがはっきりしている。当然子機なので親機にその情報や感情が伝わるし、むしろそれによって親機がギリギリ存在できている。

FGOっぽく言うと概念的であろうが自称であろうが関係なく「己は神である」という自覚を持っている存在や概念に対して特攻が入る。神性特攻かもしれないし、また少し違うかもしれない。代わりに人間から特攻を入れられる。特に人間の赤ん坊には触ることもできない。
作り出された側なので自分から何かを作り出すことができない。

別の世界でファイが自分から戦ったりすることはできない。もし何かと人間が争っていていて、そこに混ざろうとするなら人間側の神特攻アーティファクト的な立ち位置でしか関われない。それも「絶望的な状況で、それでも諦めたくない」と思う人間が一人でもいない場合でないと発揮されないし、そうなった後はその世界で存在することができず、最後の情報を親機に送って子機は消滅する。障害を取り除きはしてもその後人が築く道を歩くことはできない。

そういう特性があるのは、一重にファイが「神の創作物でありながら人間を愛した」から。どっちにも近寄れない特性。

落書きとかでよく書いてるのは子機の方。結構暴れジジイするし大雑把に拍車がかかるしボケかツッコミかでいうならボケ。

もしこいつで何か話を書くなら世界が滅ぶまでの短い期間での話か、あるいはサザエさん方式の別世界でののんびりライフくらい。いうて食べ歩きしてる、食べる必要ないけど。畳む
日記
昨日手帳の使い分けの動画を見ていそいそと用意したにも関わらず仕事用の手帳を忘れた生き物は私です。おはようございます。
まあぶるすこくんにも既に上げたんですけどもう一度。
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写真撮るの下手くそ委員会。
まあ画像の一番移ってない紫色のやつが仕事用、青い奴は何に使うかは未定だけどプライベート用、水色のリングノートはバーコード集め用、花柄のはメモ用、ちっちゃいルーズリーフはコラージュもどきノートです。MDノートはかつて英語で日記を書いてたやつの名残ですね。
持ち歩くの紫と花柄、それ以外は家で私のおもちゃになっていただく。いうて当面は使えて2~3冊くらい。私はそこまでまめな性格ではない。

後ここには映ってませんがコンビニで雑に買ってきて何となく使ってる雑書きノートもある。最近やりたいことがふわっと浮かんだあとにすぐド忘れするのでいてくれて助かっていますね。まあまさにそのノートも今日忘れてるんですけども。

記憶力 NO OWARI
日記
フォロワーさんから頂いたソドワ2.5のレスシを周回するのにはまってるんですがどんどん自分用カスタマイズが進み快適に遊べるようになってきている。
システムを変えてるとかではなく、ココフォリアの盤面上のみで管理できるようにこちゃこちゃしている。

楽するために苦労する、それでできた余裕で楽しむための工夫するのが楽しい。
日記
ご報告。
激務からの体の不調で人と話する以外はほぼ寝たきりになっていました。もう少しだけ不調続くが大丈夫な奴。

ご挨拶。
今更ではございますが、あけましておめでとうございます。今年も何卒よろしくお願いします。

まあ年明け言えど特に特別感もなくぐったりしてただけなんですけども。

さて今年の抱負なんですが「楽しく続ける」です。目新しい物にすぐ飛びつくんですが、その後とにかく続かない。上っ面の知識だけが溜まっていく。それはちょっと自分の行動の結果としては羞恥心を覚える。でも飽きる、続かない。ならば自分を宥めすかしてあやすように楽しくなる工夫をやめないようにすればいいんじゃないか?と。手始めに手帳をつけていきたい。去年はバレットジャーナルを知ってかじったけどすぐ終わってしまった。せっかく手帳作って愛着も沸いてるからうまく活用したり、楽しく続けたりする「たのしいルール」を考えていきたい。あとは積ん読になっている本を読み切りたいですね。文字を読み込んだり咀嚼して解釈する力が衰えてきてる。そのくせ活字にちょっと飢えてもいるのでひと月に1冊は読みたい。結構無理ない範囲だと思う。ところで買った本が怖くて未だ読めない場合どうしたらいいっすか??

タスクの話。
今月中にやることは立ち絵、立ち絵、そして立ち絵ですね。あとタイマンうちよそができる人に対しては置き卓をちょこちょこ進めていきたい。人にやってもらおうとするならまず自分から。それから今年は新規の秘匿卓、長期卓がCoCで沢山参加させていただくのでそれ以外のシステムで短いものがあればどんどん食いついていきたい。上にも書いたけど飽き性だから、愛し続けるために浮気する。字面だけ見ると最悪だな。
あと「上達するための絵と文をかく」これは抱負になるかもしれない。書きたいものを描きたいままに行くのもたのしいし私はこれで続いてきてるからある意味正解ではあるけれども、ふと見たときにやっぱ生まれるんですよ劣等感だとか、うまく出力できないもどかしさ。そこと向き合うための辛苦くらいは持っておきたい。楽しいことばかりじゃ停滞するだけだし。

まあ長々と書きましたが今後こういうことをしていきたいので、よかったら仲良くしてくださいという話です。

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